英文解剖学

興味深い構文やネット上で話題になった英文を取り扱っています。SNS等でシェアしてください。質問やご指摘のコメントも受け付けています。

Entries from 2021-01-01 to 1 year

加筆修正: 薬袋善郎 ミル『自由論』原書精読への序説への疑問① 譲歩節のmight

(2021年10月25日付で下記リンクの記事後半を中心に大幅に書き直しました。timedやtimelessなどの未定義な術語を排除しました。お読み頂けると幸いです。) 薬袋善郎 ミル『自由論』原書精読への序説への疑問① 譲歩節のmight tmneverdies.hatenablog.com とい…

「サミング・アップ」行方昭夫先生の誤訳? 接続詞asと「might have 過去分詞」の用法

(2021年9月12日 「as=同時」に関する妥当性についてのご質問を受け、行方先生の訳に関する考察も含め、記事を大幅に書き直しました。 時間的な「同時」の解釈と区別するため、「as=並列・対比の用法」と明確化しました。) ある方からSumming Up (Sumerset Ma…

小ネタ That節の役割 語順の変化を見抜け

That I was indeed the author of the very important book it turned out he hadn't read. (Men Explain Things to Me)倒置が起こりまくっている 最高 — 英語ニキ@受験英語Vtuber (@eigonikiV) 2021年8月19日 あ、すみませんなるべく受験英語の枠内で普段ツ…

英文の分析的考え方の誤読 比較級と否定

英文解釈史に残る難問。俺の中でも未解決問題。古谷先生の解説を読んでもよくわからないのだ。 pic.twitter.com/mHvQBQY1wr — 岩清水弘 (@6tU911oTNZUQSSo) 2021年3月8日 上記の英文の解釈が話題になっており、参考として紹介されていた古谷専三先生の解釈と…

京大英語2021大問2下線部(b)解説:予備校の解答が割れた問題

(2021年3月6日 2箇所追記あり) (2021年3月17日 下線部(b)2行目に関する説明を統一) (2021年5月15日 下線部(b)1行目に関する表現について修正及び追記) (2022年5月21日 「まとめ」を追記、出題者の意図に言及) 以前紹介した2014年の京都大学の問題のように、…

息の長い現代英文

現代の英文にしては珍しく一文が長い文についてAkko先生から情報提供を受けたので紹介します。 Akko (@Akko1454) | Twitter セミコロンで繋いでいるわけでもありません! 特に構造が複雑だったり、高校レベルを超えた文法事項が使われているわけではありませ…

いわゆるクジラ構文・"no more than"構文について、平沢(2014)への補足

(2022年1月15日 全面的に書き直しました。) (2023年9月24日 用例4と用例5を追加) 以下、特に引用元論文がないロジック・用例はtmneverdiesが自ら考案・採取したものです。ただし一部先行研究と重複しているものは言及しています。 今回のテーマはいわゆるク…

A if not Bがなぜ「A、ひょっとするとB」の意味になるのか。

(2022年3月6日 追記) if notはまるでand やbutのような等位接続詞のように同じレベルの単語(同じ品詞など)を繋げるために使われることがあります。 A if not Bといった場合、何らかの基準でAよりもBの方が程度が高いのが基本です。 実は、ifは単独で"Even if…

越前敏弥先生著 日本人なら必ず誤訳する英文の「誤訳」?

越前敏弥先生という翻訳家をご存知でしょうか。 ダン・ブラウンの小説の翻訳や、翻訳者を養成する講座など同業者の教育に携わっていることでも有名な方です。 私が原書を読んでいていて、翻訳しづらそうだと思った部分を越前先生の翻訳で確認したところ正確…